デリバティブ derivative
そんなデリバティブには、とても際立った大きな特徴がある。それは、理論と実務が一体となって発展してきたという点だ。通常のビジネスでは、まず実務が先行し、理論はそれを後追いするのが常だ。デリバティブも最初のうちはそうだったのだが、やがて理論が新しいデリバティブ商品を生み、デリバティブの急成長が理論の発展を促すという展開になっていく。
デリバティブを成り立たせるそれらの理論は金融工学と呼ばれ、もちろん現代ファイナンス理論の重要な一部をなしている。そうしたデリバティブの理論的発展の歴史の中でも最も特筆すべきものが、やはり1973年に発表された ブラック=ショールズ・モデル(BSモデル) だろう。